概説書・教科書・注釈書

【表  題】 著作権法逐条講義(改訂新版)
【著  者】 加戸守行
【出 版 社】 社団法人著作権情報センター
【出 版 年】 1994年(平成6年)
【感  想】 現行著作権法の起草担当者の一人であった著者の講演録をもとに、歴代の文化庁の役人が改訂を加えていった、著作権法の概説書の草分け的存在。全ての条項について、それなりの情報が掲載されているし、表現がわかりやすいので、1冊もっていると非常に便利。

ただし、学説や判例・裁判例の紹介がほとんどないので、著者と異なる見解をとりたいときには、全く何の手がかりも与えてもらえない。また、最近のメディアの発展には対応できていない。

【表  題】 著作権法概説(第8版)
【著  者】 半田正夫
【出 版 社】 株式会社一粒社
【出 版 年】 1997年(平成9年)
【感  想】 民法と著作権法にわたり活躍中の著者による代表的な教科書。つい最近までは、著作権法の勉強を体系的に行おうとすると、この本に頼らざるを得なかった。著作権法の改定にあわせて、頻繁に改訂がなされるのも魅力の一つ。

ただし、レイアウトその他の理由で若干読みにくいような気がする。

【表  題】 概説著作権法(第3版)
【著  者】 斉藤博
【出 版 社】 一粒社
【出 版 年】 1994年(平成6年)
【感  想】 非常にコンパクトな概説書。著作権法の概略をざっと学ぶには便利。

【表  題】 社会教育関係者のための マルチメディア時代の著作権 人権を守るために
【著  者】 岡本薫
【出 版 社】 財団法人全日本社会教育連合会
【出 版 年】 1997年(平成9年)
【感  想】 著作権を人権の一つとして捉えていこうという視点は画期的ではあるが、児童が深夜労働をさせられない権利を比喩に用いたのは明らかに行き過ぎである。この視点でいくのであれば、たかだか「映画流通の円滑化」という経済的な利便性のために映画の著作権を著作者から出資者に強制的に取り上げている29条の廃止を訴えるべきであろう。いずれにせよ、読む価値は低いと思う。

【表  題】 事典 知らないと危ない インターネットと著作権
【著  者】 荒竹純一
【出 版 社】 中央経済社
【出 版 年】 1997年(平成9年)
【感  想】 著作権法の基本概念を簡単に解説してあり、法律家でない人が著作権法の法律用語の意味を確認するには有益であろう。

【表  題】 著作権法概説
【著  者】 田村善之
【出 版 社】 有斐閣
【出 版 年】 1998年(平成10年)
【感  想】 著作権法の概説書で、各論点に関する学説・裁判例等が載っている唯一の本。加戸守行氏の「著作権法逐条講義」とともに、著作権法の議論を行う上で必読の書であろう。

【表  題】 著作権法詳説(第3版)判例で読む15章
【著  者】 三山裕三
【出 版 社】 東京布井出版
【出 版 年】 1998年(平成10年)
【感  想】 著作権法全体について、適宜裁判例を引用しながら平易な文章で解説を加えており、著作権法を一から学ぼうという学習者にお薦め。

【表  題】 著作権法ハンドブック(改訂版)
【著  者】 著作権法令研究会
【出 版 社】 著作権情報センター
【出 版 年】 1998年(平成10年)
【感  想】 帯には「著作権制度を初めて学ぶ方から実務家まで」と書いてありますが、どちらにとっても読む価値があるようには思えない(除く、著作権関連条約締結状況を素早く知りたい人)。別におかしなことが書いてあるわけではないが。